おひとり様は、遅かれ早かれ最後はどうするか選択しなきゃいけない
Nちゃんの悩みを聞くと、おひとり様に「終の棲家」は無いのだなと思いました。
ある日突然コロリと逝くか、家族が同居する中で逝く場合を除いては、最後のちょっと手前のタイミングでどこかにお世話になる選択をしなければいけないのだと思います。
きょうだいとの折り合いが悪くなくても、いずれその選択を迫られていたかもしれません。
それが早いか遅いかで。
仲が良くギリギリまで支え合えたら理想ですが、自宅に帰りたくないくらいそりが合わない日々を同じ空間で過ごすというのは想像しただけで苦しくなります。
その点、私は完全におひとり様なのでそういう悩みは抱えずに済みそうです。
苗場の激安リゾマンを終の棲家とし年金7万円で暮らす男性
苗場のリゾマンは10万円くらいから買えるそうで、60代のその男性も築40年以上の一室を買い、年金7万円で暮らし始めた様子を毎日動画にあげています。
住んでるマンションや取得にかかった費用を公開しながらも、なぜそこに住むに至ったか等の経緯はほとんど語ることなく、
何より、普通なら60を過ぎ、雪深くて不便な苗場の激安とはいえ古いリゾマンを買って年金7万円で一人暮らすと聞けば悲壮感漂うじゃないですか。
でもその男性にはそういう崖っぷち感がないのです。
ある日「元カノ」から届いたという宅急便の中身を公開していたのですが、食品やお菓子等々、男性の好物と思われる物が、誰が見ても家族だからこその愛情にあふれた品々、「元カノ」とは思えず、なぜ男性が苗場に行き着いたのか俄然気になり追ってしまいました。
老後を海外と日本を行き来して暮らす
男性はこの一年間に2回海外へ出ています。旅行かと思いきや家族と過ごすためのようでした。
ここでも動画のほとんどは風景や食事のシーンで多くを語らずで、毎朝犬の散歩に始まり、日々のご飯やおやつを食べたりと、ありふれた日常ですが、お子さんやお孫さんがいることがわかってきます。
そして毎日食卓に並ぶ手料理の数々を見ていると、これを作っているのは「奥さん」だ!と確信します。
ここからは私の想像(妄想)ですが、
この男性も奥さんも日本人で海外で長く生活されて来たのだと思います。
そして定年となった時に男性は老後は日本で暮らしたいと思ったのでしょう。しかし奥さんはそれは望まなかった。
奥さんとお子さんは海外にとどまり、男性は日本へ戻って苗場のリゾマンを買って一人暮らしを始めた。
けれどこれは「別離」ではなく、分かれて暮らすというだけであって、男性が日本と海外を行き来する、という形をとったのではないかと。
そうでなければ海外で健康診断を受けたりすることは出来ず、暮らす場所は違っていても今も家族のままなのだろう、そう思いました。
最後を託せる誰かがいるのは幸せ
男性は苗場のリゾマンを「終の棲家」といっていますが、もちろんそういう気持ちで日本に戻って来られたのでしょう。
けれど一人暮らしではあってもおひとり様ではありませんよね。独身とは言いつつ(もし離婚されていたとしても)離れて暮らす家族とは良好な関係なのがわかります。
持ち家と賃貸はどっちがお得かとかコスパだけでは決められません。
たら、ればの話は意味が無いのですが、私はおひとり様で老後の住いのことで今は悩んでいて、もしマンションを買えていたら、、、、と考えなくもないのですが、
もちろん自分の家があれば賃貸が借りられず困り果てる、などということは無いわけですが、
最近思うのは、
自分が所有した物の最後の始末はどうするのか?ということです。
賃貸もそれは同じです。デジタルを駆使してギリギリまで自立出来たとしても、それすら出来なくなった時、口座引き落としとか、サービスの解約とかどうするのか、完全に身ぎれいにするのは不可能で、
持ち家でもそうでなくても、おひとり様はギリ最後の直前にどこかにお世話になる選択をしなければならず、そしたらそれは「終の棲家」じゃないんじゃないかな、と。
だから最後は託せる誰かが必要なんじゃないかと。
その男性を見ていると一人暮らしではあっても、命を繋いだ託せる人が、離れてはいてもいることは幸せだなと思ったのでした。